サードプレイスとは何か?特徴は?サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」を読んで
「今日も仕事が終わったら、あの場所に行こうかな」
みなさんにも、そんな"お気に入りの場所"ってありますよね?
疲れた心が自然とホッとする。顔見知りの人たちと他愛もない話で盛り上がれる。そんな場所のことを、「サードプレイス」と呼びます。
サードプレイスって何?身近な例で考えてみよう
私たちの生活は、主に2つの場所で成り立っています。1つは「家」、もう1つは「職場や学校」です。でも、実は、充実した人生には、もう1つ大切な場所が必要なんです。それが「サードプレイス(第三の場所)」。
例えば、こんな場所を思い浮かべてみてください:
- 毎朝、コーヒーを飲みながら店主と世間話をする行きつけのカフェ
- 仕事帰りに一杯引っかける常連のいる居酒屋
- 休日にのんびり本を読める町の小さな書店
- 散髪しながらご近所の噂話に花が咲く床屋さん
- 夕方になると主婦たちが井戸端会議を始める八百屋さん
なぜサードプレイスが必要なの?
「え?家と職場があれば十分じゃない?」
そう思う人もいるかもしれません。でも、ちょっと考えてみてください。最近こんな悩みを抱えていませんか?
- 仕事のストレスが溜まってる
- 近所づきあいがめっきり減った
- 友達と会う機会が減った
- 家にいても何となく落ち着かない
- 新しい人との出会いがない
実は、これらの多くは「サードプレイス」の不足が原因かもしれないんです。
著者のレイ・オルデンバーグさんは、フランス人の生活を例に挙げています。フランス人は「家庭」「仕事」、そして「カフェやビストロ」という3本の柱で生活が成り立っているそうです。毎日の食前酒の時間に友人たちと過ごすひとときが、彼らの生活の大切な一部になっているんですね。
一方、アメリカ人(そして最近の日本人も?)は、家庭と仕事の2本足で必死にバランスを取ろうとしている。だから、ストレスや孤独感を感じやすいんだと指摘しています。
仕事も家庭もなんだかうまくいかない、そう感じている人もいるのではないでしょうか?そんな私たちには、人生のバランスを取ってくれるサードプレイス、という存在が必要なのだと思います。
サードプレイスの7つの特徴と素敵な働き
1. 誰でもウェルカム!の特徴:中立な領域であること
サードプレイスの一番いいところは、誰でも気軽に立ち寄れること。会社での肩書きも、年齢も、性別も関係ありません。
私が一番大好きなテレビドラマの「フレンズ」、登場人物もさることながら、あのセントラルパークというカフェ、つまりサードプレイスの存在にも憧れを抱いていたのではないでしょうか?そこには会社員も、俳優志望の若者も、シェフも、主婦も、みんなが対等な「お客さん」として集まってきます。地位や立場を気にせず、自分らしくいられる場所なんです。
2. 世代を超えたつながりの特徴:共通の関心事があること
今の時代、違う世代の人と交流する機会って、めっきり減っていませんか?
例えば、洋楽バーに行ったときは、世代や年齢も違うけど、洋楽が好き!という共通点と、店の雰囲気に惹かれて、いろんな世代の人と時間を分かち合います。
3. みんなの情報交換所の特徴:会話が主役であること
「隣の奥さん、入院したらしいよ」 「あの空き家、新しい人が引っ越してくるんだって」 「この前の台風で被害があった家、みんなで手伝いに行かない?」
サードプレイスでは、スマホやテレビではなく、人と人との会話が主役。だから自然と地域の情報が行き交い、困ったときの助け合いも生まれます。特に災害時など、いざという時にこの人のつながりが心強い味方になります。
4. 気分転換の特効薬という特徴:アクセスが容易であること
仕事で失敗した日。恋人とケンカした日。何となく落ち込む日。
そんな時、サードプレイスは最高の気分転換になります。なぜって?気軽に立ち寄れる場所だから。通勤途中や、仕事帰り。ちょっと寄ってみようかな、という気軽さが大切なんです。
- いつもの常連さんの温かい笑顔
- くだらない話で笑い合える空気
- 自分のことを知っている人たちの何気ないフォロー
人は話を聞いてもらうだけで、心が軽くなるものですよね。
5. お財布にも優しい特徴:地味な外観と雰囲気
実は、サードプレイスって、見た目は派手じゃないんです。でも、その地味な外観が、かえって入りやすさを生み出しています。
- 高級感はないけど落ち着く町の喫茶店
- 看板も古いけど、味のある食堂
- 特に装飾もない、でも温かみのある集会所
お金では買えない豊かさが、そこにはあります。
6. 新しい出会いと発見の特徴:常連の存在
「この前、常連のAさんに紹介されて、すごく面白い人と知り合ったよ」 「いつもの本屋で、店主さんおすすめの本に出会ってさ」
サードプレイスには必ず常連さんがいます。その常連さんたちが、新しい人を温かく迎え入れ、人と人をつないでくれる。思いがけない出会いや発見を生み出してくれるんです。
7. "ホッ"とできる特徴:くつろぎの雰囲気
例え家と言っても、家事、育児で頭のことはいっぱい、とても休めたものではない!と感じることがある人も多いのではないでしょうか。
サードプレイスは、そんな時の避難所になります。強制されない自然な会話、適度な距離感、気取らない雰囲気。家でも職場でもない、でも、どこか"ホッ"とできる。それは、そこに「ぬくもり」があるからなんです。
サードプレイスがあることで、日々の辛いことも癒やされてまた頑張ろうという活力をもらえます。
現代のサードプレイス事情
残念ながら、今、サードプレイスは危機に瀕しています。
昔ながらの商店街はシャッター街に。個人経営の喫茶店はチェーン店に。町の本屋さんは次々と閉店。近所づきあいは減り、SNSでの交流が増えるけれど結局は画面越しで、心は満たされない...。
特に郊外の住宅地では深刻です。広い庭と大きな家はあっても、歩いて行ける距離に、気軽に立ち寄れる場所がない。車がないと、どこにも行けない。
著者は警告します。「このままでは、人々はますます孤立していく」と。
これからのサードプレイス
でも、希望はあります。新しい形のサードプレイスが、次々と生まれているんです:
- 図書館を改装した地域の交流スペース
- シェアキッチン付きのコワーキングスペース
- 古民家を改装したコミュニティカフェ
- 子育て中のママたちが集まる小さな公園
- オンラインでつながりながら、時々リアルで集まるサークル
大切なのは「場所」そのものじゃない。人々が気軽に集まり、交流できる「雰囲気」なんです。
まとめ:あなたのサードプレイス、見つかりましたか?
サードプレイスは、実は身近なところにあるかもしれません。
- 週末に家族で行く公園
- 通勤途中に寄るパン屋さん
- 趣味のサークルが集まるコミュニティセンター
「ここが私のサードプレイス!」という場所、見つけてみませんか?
これから必要なこと
著者は最後にこう語っています。サードプレイスを守り、育てていくために必要なのは:
- その価値を理解すること
- 意識的にサードプレイスを作り、活用すること
- 地域のサードプレイスを大切にすること
- 新しい形のサードプレイスを柔軟に受け入れること
一人ひとりが、自分なりのサードプレイスを見つけ、育てていく。そんな小さな一歩から、もっと豊かな社会が作られていくのかもしれません。
サードプレイスで、新しいつながりを
私たちは、そんなサードプレイスをもっと身近にするアプリ、きっかけマップを作っています。カフェや図書館、公園など、あなたのお気に入りの場所で、同じ空間を大切に思う誰かと出会えるかもしれません。日常のちょっとした場所から、新しいつながりが生まれる。そんな体験をお届けできたら嬉しいです。
さっそく使ってみる
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